現在は状況が異なる可能性がありますのでご注意ください。
私がアートや映画の記事を書くことは誰も望んでいないような気がしますが、あえて記事にしてみました。
冬休み中、映画を観ることが出来ました。その中のひとつ、映画「クリムト」。
2008年の大河ドラマ「篤姫」のオープニングにもクリムトの絵画のパロディが使われていましたので、画家クリムトの存在を知った方もいらっしゃったのでは。
(篤姫オープニングの映像)
(最も有名な作品「接吻」。我が家にも大きなポスターの額があります。)
私がクリムトの存在を知ったのは中学生くらいの頃。
母がクリムトの絵が好きだったので、その影響を受けたんだと思います。高校の美術の先生(当時20代前半の女性でした)に好きな画家はクリムトだと話をしていた記憶があります。
高校時代、私はその美術の先生と仲良くなってたびたび美術準備室に遊びに行っていました。
絵の才能は無かったけど、芸術的なものに興味がありました。絵も造形も好きでした。今は自由になりませんが、ゆっくり絵画を観に行きたいなー。
高校時代、官能画家なんて呼ばれていることは意識せず。
クリムトの絵にある、豪華な印象や色彩が魅力だったのですが・・・。
モチーフ可された絵もいろんな意味があるそうで・・・・。
私は視覚的に受け止めていて画家の主張を受け止めていなかったのかも知れません。
けれど絵画というものは視覚的に受け止めていていいものだと。
画家が表現したかった何かを受け止められなくても、そこに自分の感性を足して何か勝手に感じたとして、何が問題があるでしょう。
ともかくもクリムトは女性好みの絵といわれています。
当時、世紀末は何かが起こると言われていました。ギュスタブ・クリムトの生まれたウィーンも世紀末的な退廃的な雰囲気を存分に漂わせていたのでした。
私のもっとも好きな画家といえるクリムトですが、私も経歴はさらっとしか記憶にありません。
彼の父が彫版師だったし、自身も勉強したので、工芸的なことに詳しく、その知識や技術が活かされた作品であること。金箔を使った部分などはその尤もたる部分です。加えて日本の画家(尾形光琳など)の影響も受けたといわれていました。
それから「女ったらし」。
当時の画家はいろんな問題を抱えていますから女ったらしなんてめずらしくも感じないけれど、女性をキレイに描くと評判だった・・・、という記憶があります。
そして、あまりに官能的さらに死を意識した作風は当時ウィーンでは大きな物議を呼びおこし、大紛争になりました。一方でパリでは大絶賛され・・・。
それから親交のあったエゴン・シーレ。
私は20世紀末に新宿の「ウィーン世紀末展」を観に行きました。この時は東郷青児記念館だったと思いますが、クリムト、シーレの作品の展示でした。
「クリムト」というタイトルだけに伝記にちかいのかなと思い、映画自体の知識はさほど無く見始めたのです。
映画が始まってこれは子どもの前で観るものではないや・・・ということで、子どもが寝てから観ることにしたのですが、裸の女性がたくさん出てきます。まぁ、私は女性なので裸の女性をみてもどうってことはないのですが、官能画家の頭の中を描いているので・・・・・。
エゴン・シーレが尋ねると死期の迫ったクリムトが病院のベットに横たわっています。
その後に起こる展開はクリムトの頭の中。
走馬燈の広がるクリムトの過去の断片が私たちにみせられるのでした。
(私は~ながら映画でしたので、この事が理解できるまで時間がかかってしまいました。)
虚(クリムトの頭の中で意識してきた部分)と実の部分。
伝記ではないけれど、クリムトがデザインしたドレスを再現するなど、衣装やインテリアもクリムトの世界観を意識した豪華なもの・・・。
私は画家としてのクリムトに興味がありましたが、伝記的な内容を期待するなら×かも。
映画は
●日本でも女性を中心に人気絶大!クリムトの世界を耽美的に描いた話題作! 恋人ミディとはプラトニックな関係だった一方で、モデルに触れないと描くことができなかった天才画家の世界を、彼が生きた世紀末ウィーンに漂うデカダン美 や神秘性とともに描いた話題作。豪華絢爛な衣装も必見!Bunkamuraル・シネマやシネスイッチ銀座での公開、「芸術新潮」をはじめとする各誌での特 集など流行に敏感な女性を中心に評判となり、話題性も抜群!
●マスコミ騒然!女性モデルがオールヌード&無修正で多数登場!
●名優ジョン・マルコヴィッチがクリムト役で渾身の名演技! 『マルコヴィッチの穴』などで常にスクリーンを圧倒するJ・マルコヴィッチがクリムトに扮し、現実と幻想の狭間で揺れる画家の精神世界を見事に体現!(amazonより)
というところに注目を集めたようです。
ちなみに私の観たものはテレビ放映になったものだったので、無修正ではなくボカシが入っていました。
ああ、確かに「マルコヴィッチの穴」に通じる世界があるかも・・・・。
さて、amazonをチェックしたらR-15指定だったのですね。
ながらで映画を見始めたため、クリムトが死の床ということがわかってなくて、かなり後半になっていろんなことが見えてきた私。これはもう一度見ないとダメだわ・・、と思いつつなんとなく不思議な感覚を覚える映画。
クリムトの世界を描きながらも、画家としての魅力を表現はしていない・・・。
映画の中でクリムトが梅毒だったと知りました。
スペイン風邪で亡くなったのではなかったのね・・。では梅毒で頭がやられてこんな世界になっていってしまったの?映画が進むにつれてクリムトの精神が崩壊していくのか、虚と実が見分けが付かず、理解不能に・・・。
芸術がなかなか理解できないのと同じ?
心が捕らわれるのに作品を充分に理解できないような・・・・。
良かったらご覧下さいね。
ちなみにエゴン・シーレ。
東郷青児記念館で彼の自画像を見たときに、「ジョジョの奇妙な冒険」でお馴染みの荒木 飛呂彦さんのキャラクターにそっくりと思ったのですが、荒木さん、シーレ、お好きですか?
映画の中ではシーレ(役)の表情や仕草にも注目。
よく似ている役者さんでびっくりしました。もうちょっと出番があっても良かったのに・・。
ジョジョの世界だぁ~、と思うのは私だけではないはず。
ちなみに以前、ジョジョ~の記事を
書いています。全く反響がなかったのですが、面白いと思ったサイトを紹介しています。「ジョジョ立ち」今でも笑えると思うのですが・・・。>>過去記事
そういえば新婚旅行にウィーンに行きたかった私。
それがかなわなかったので、いつかウィーンの19世紀末の香りを感じに出掛けたいと思っています。