アート

Bunkamura25周年特別企画『進化するだまし絵』展

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渋谷の東急、Bunkamuraの『進化するだまし絵』展にお友達とそれぞれ子どもを連れて出かけてきました。

子どもたちに絵を観る楽しさを教えたいと思いつつ、下手すると、「早く帰ろうよーー。」と催促されまくって、ゆっくり落ち着いて観ることができない可能性もあるので、連れていくべきかどうかで悩みました・・・。

でも、Bunnkamuraの25周年の企画展でだまし絵というテーマ、しかも時期的なことを考え、子どもでも楽しめるだろうと、勝手に想像。バレエリュスでもそこそこ楽しんでいた子どもたちなので、思い切って連れていくことに。

芸術は何かとか、素晴らしい技術だとか、画力だとか、そこは関係なく。
楽しいかどうかが重視されるだまし絵なら、子どもでも楽しめそうではないですか?

2009年にもBunkamuraでだまし絵展が大々的に開催されて、その時のポスターを記憶しているのですが、当時は子どもが小さくてとても美術展に行くところまで気持ちが向かなかったことを考えると、随分と子どもたちも手がかからなくなっているんだなぁ、と。

子どもたちには、音声ガイド(¥520)を借りて、展示を回らせました。
絵だけではなく、オブジェなどもあり、見方が分からないとちょっと楽しさが伝わりにくいものもあります。また、作者の表現したかった部分や製作工程の話など、音声ガイドでは俳優の八嶋智人さんがギャラリーだまし絵のオーナーに扮して、説明されるのでそれを聞きながら作品巡りをすると、それはゆっくりとした足取りになりました。

少し作品のご紹介を。
こちらはチラシをiPhoneで撮影したものを更に切り取ったものになりますので、画像は荒く不鮮明。なんとなく、イメージだけを掴んで頂き、後は会期が10月5日までになりますので、ぜひ会場でご覧になって頂きたいと思います。

まず、この美術展の顔ともなっています、顔のポスター。
本やしおり、そして書庫のはたきでできた人物は、実際にお城に司書として活躍していた人物を表しています。

本に携わる仕事の方を本で表した人物画ということで、実在した本人を知っていたとしたならもっと楽しめるだろうというもの。面白いですよね。

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これは作者不詳の作品。
こちらは寂しげな風景画に見えます。黒ずんだブラウンとブラウンがかったグリーンで表現されたこちらの絵は観るものを寂しく、不安にさせるような気がします。

この絵は何が?と思われましたか?

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こう見ると、どうですか?
怪しげな人物が浮かんできます。
この町・・・、どんな町なのでしょうか・・・・。想像が掻き立てられます。

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ルネ・マグリットの『赤いモデル』。

ベルギー出身の画家です。『大家族』という曇天の空の中に青空で大きな鳩のシルエットが浮かび上がる絵は美術の教科書などでも紹介されており、シュールレアリスムの代表的な画家として広く認知されています。

しかし、安定的な画力と不安定さを感じさせる絵のモチーフ。
この絵もだまし絵とはちょっと違います。
彼は、革靴を履くことに抵抗があったと言います。動物の革を剥いでできた靴・・・。人間の皮でできた靴があったとしたら?そんな発想で描かれたというこの絵。

子どもの時に、母が自殺したことを生涯にわたって引きずっているようで、なんとなくすっきりしない寂しさを感じる絵が多いです。

ベルギー王立美術館にはこれでもか!!というくらい、マグリットの作品が多く、まるで読み飛ばすように展示を回りましたが、こうしてじっくりみるとマグリットの感じていたことが伝わってくるようです。

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サルバトール・ダリ。『海辺に出現した顔と果物鉢の幻影』

絵にさほど興味の無い方でも、ダリの描く、不安定で不思議で美しい世界に興味を持つ方は結構いらっしゃいます。デザイナーとしても素晴らしい才能を発揮されて、自分の顔までアートな。

しかしその奇抜なスタイルとは裏腹にいえ、そのままなのか、非常に繊細な感性を持つダリ。絵にはそんな部分がたくさん現れています。
ダリの絵は、だまし絵的な要素が多く、ひとつのモチーフをああにもこうにも観られるように描かれているものが多いです。
こちらはわかりやすいですね。人の顔が見える、果物鉢にも見えます。
そこに込められたメッセージは音声ガイドに解説があるんでしょうか?

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ヴィック・ムニーズ。『自画像 悲しすぎて話せない』

音声ガイド、大人チームは借りていないので詳しい解説はわからないのですが、この自画像、絵ではなく、写真のコラージュ作品です。
とてもカラフルでブルー、グリーン、イエロー、マゼンタピンクを中心にちりばめて作り上げられていますが、その一つ一つは日常生活用品の写真。おもちゃ類が多かったかな。
一体彼は何を悲しんでいるんでしょう。
彼の悲しい記憶とその日用品たちは何かリンクしているのでしょうか・・・。

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パトリック・ヒューズ。『生き写し』

音声ガイドを借りた娘の話だと、こちらは自画像で、ご自分の顔の型を取ったものを着色したものだそうです。
ですから平面ではなく、凹んでいます。

でも人の目は「顔」と認識した時点で、鼻は前に出ているもの、などと感じる様になっているので、凹んでいる筈のこちらの作品が不思議と普通の立体の顔のように見えてきます。

目の前にある事実を受け入れたくない目。
人間の目の錯覚を感じる作品です。

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エヴァン・ペニー。『引き伸ばされた女 #2』

今や、写真は画像ソフトなどで簡単に加工できるようになりました。
この作品は、写真を引き伸ばしたものをそのまま立体にしたものと考えて頂けると良いです。

平面では引き伸ばしてもなんなく受け入れられるところを、何故か立体で像になって見せられるととんでもなく違和感を感じます。
この作品、私の背より大きいのですが、肌の質感から本物の人間のようでリアルなので・・・、まつ毛も髪もリアルの人間の質感に近いのです。さすがに触るわけにいかないのですが。

人間がこんなわけがない、こんな姿わけがない、と違和感を持ち続ける感覚は、先ほどの『生き写し』に似た感覚なのだと思います。

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福田繁雄 『アンダーグランド・ピアノ』

手前はグランドピアノのオバケの様にみえます。
もう楽器としての一生を終えて、姿を変えてしまったかのよう。弾くことは叶わない、元グランドピアノの姿。
ですが、鏡に映ると元の姿に戻ったかのように、どうみてもグランドピアノです。真実の姿はどちらなのか錯覚を起こします。

鏡に映ることでひとつの像と成す・・・・。

似たような作品にぐちゃぐちゃになったワイヤーがあるようにみえ、ある一定の角度からライトを照らすと何かの像を結ぶ・・というものがありました。トカゲとかカマキリの影ができるんです。

たまたま、チラシに紹介されていた作品をど素人が好き放題にご紹介しましたが、この様にいろんな見方をしながら楽しめる作品がたくさんあって、中には映像や一部参加型のものもありますが、なかなか楽しめました。

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お友達のお嬢さん(小学校5年生)もご一緒したのですが、こんなに長い時間飽きずに美術展を観たのは初めてと、喜んで頂けました。

こちらの画像はBunkamuraの施設内のチョークアート
だまし絵展のパロディ。
チョークアートで松本かなこさんの作品です。
平面で描かれたはずのめざましくん?が、ある一定の位置から撮影すると、立って見えるというものです。
子どもたちこれにも大喜び。

そして子どもたちと自分のご褒美としてはミュージアムショップでのお買い物があります。結局私は何も買わなかったのですが、変わったものやデザイン性のある雑貨、色々楽しいものがあるので、ワクワクするんですよね。

特にテーマがだまし絵展だっただけに、錯覚に関するものも多く扱っていました。
今回の展示では以前こちらでみた、エッシャーの作品も数点あり、旧友にあったかのような懐かしさを覚えました。あの時、図録を買わなかったことを今でも後悔し続けている私です。

また、エッシャー展、やってくれないかなぁ・・・・。
公式サイトも音楽と動画で楽しめるのでよかったらチラ見してみて下さい。↓

Bunkamura25周年特別企画『進化するだまし絵』展
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_deception/index.html

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ミュージアムショップにあった本で、欲しくなってしまった本。
エッシャーのような緻密さはとてもまねできないと思いつつも、いたずら心を刺激されます。

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