現在は状況が異なる可能性がありますのでご注意ください。
最近の趣味(のひとつ)は、絵画展を観に行くこと!!
と、答えています。
子どもたちが大きくなって、ゆっくり絵画鑑賞できるようになりました。
一緒に観に行くこともありましたが、私ほど興味がある様子もないので、子どもたちが学校に行っている平日真昼間の空いている時に出掛ける様にしています。
自分のペースで観たいので、基本お友達は誘わないのですが、私のペースで観ていいですよ♪と行って下さるお友達とはご一緒させて頂いています。
さて、我が家からは行き易い、Bunkamura。
知らない方の為にちょこっとだけご説明しますと、渋谷にあります、東急本店の一角にあります、文化的な施設です。
私がよく行きますのは、そのBunkamuraの中の、ザ・ミュージアム。
美術展はこちらです。
そして、ル・シネマ。過去記事の、『至高のエトワール』や『ディオールと私』などはこちらです。
熊川哲也さんの率いるKカンパニーが度々舞台を飾る、オーチャードホールも同じBunkamuraの中にあります。
渋谷はごちゃごちゃしていてちょっと苦手な私なのですが、ここは本当に素敵。
高尚なものに触れていることで魂が浄化するような・・・。
まぁ、私の中のおまじないを掛けてくれるような施設なんです。
大変前置きが長くなりましたが、先日行ってきましたのは、現在開催中の『ボッティチェリとルネサンス』展です。いざ、フィレンツェに!とはオーバーなタイトルでしたが、気持ちはウフィツィ美術館にでも行ったつもりです。
キリスト教の宗教絵画の中でも、ボッティチェリの描く絵は色彩も美しくて心地いい感じがするので、好きなんです。登場人物の顔立ちがみな、イタリア人だなぁ・・・なんて思いますが、それもイタリア・・・フィレンツェの空気を感じて好きです。
ちなみにフィレンツェという都市名は、フロレンティア(花盛り)からきたといわれています。
花の都フィレンツェとも言いますよね。
とはいえ、私はフィレンツェ、たった1度しか行ったことがなくて、薄い記憶をその後触れる読み物見もので美化しているかもしれません。ボッティチェリの名前は舌を噛みそうで言いにくいですから、名前を聞いてピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、貝にのったビーナスの絵『ビーナスの誕生』をご存じでしょう?あの絵を描いたのがこのボッティチェリなんです。
当時のフィレンツェはメディチ家が全盛期。ヨーロッパの商業や文化の中心的な存在でした。
ボッティチェリはメディチ家からの支援を受け、たくさんの作品を残しました。
今回、残念ながらビーナスの誕生は来ていませんが。(さすがにあれは現地でみましょうか?大きいし。)
こちらも↓有名です。(春)『プリマベーラ』。
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それから、門外不出の傑作とまで題された『聖母子と洗礼者聖ヨハネ』・・・・。日本初公開なのだそうですが、こちらは限定公開で、5月6日までの展示だったんです。私たちは観ることができず(ノД`)・゜・。
※記事内、パンフなどの画像から掲載させて頂いていますので、折れ線などで絵が観にくいかと思います。ご容赦を。
それでも感動的な作品がたくさんありました。
中でも一番に気に入ったのが、『受胎告知』。
ダ・ヴィンチの受胎告知もすごく素敵ですが、こちらの受胎告知は室内に吹き込んでくる風の揺らぎが伝わってくる作品です。
病院の壁画として書かれたフレスコ画で、作品はかなり大きい為、まるで自分が受胎告知のシーンを目撃しているような臨場感と、静けさと高潔さに居合わせる自分まで神に祝福された存在であるような気持ちを味わうことができます。
きっと病気を患っていた当時の人もこの絵をみて、自分の傍に神様がいて下さると感じていたことでしょう。
まぁ、冷静にみると突っ込みどころは満載ですけどね。
だってあまりに舞台がイタリア風ですもん。
そして立派な寝室・・・。
マリアって貴族ですかって・・・。
最近ミュージアムショップでは何も買わずに帰ってくることが多くなった私ですが、この絵は非常に気に入って、チケットケースを買って帰りました。
ボッティチェリのことばかりお話してしまいましたが、フィレンツェの富と美とあるくらいです。
大きく7つのテーマに分けての展示されています。
序、フィオリーノ金貨
当時のフィレンツェで使われていた金貨を元に、ヨーロッパの中心となり、ルネサンスの舞台になったその理由をつまびらかにしていきます。
コインの絵柄の百合はメディチ家の紋章です。そして男性は、フィレンツェの守護聖人の聖ヨハネです。
この金貨の精度は素晴らしくて、きっかり、3.536gの金で出来ていたそうです。
そっくりな偽物も多く出回っており、本物の金貨か確かめるために金貨に噛みつくこともあり、跡が残っているものも展示されていました。
1、ボッティチェリの時代のフィレンツェー繁栄する金融業と商業
ルーブル展でも同じようなテーマの絵がありましたが、↓↓
キリスト教の世界では罪深き存在の金貸し業・・・。
厭らし感じで描かれていますね・・・・。
当時のお金持ち、やはりお金を持っていることに罪悪感があったようで、病院や教会にたくさん建物や美術品を寄付しています。まぁ、こういうことがルネサンスの原動力になったんでしょうね。
2、旅と交易ー拡大する世界
これも印象に残る絵でした。
といういますのは、ドウニ家という・・・やはり当時の商家のお坊ちゃん、ラファエロが絵に登場しているのです。こちらはボッティチェリの作品ではなく、フランチェスコ・ボッティチーニの作品ですが、ドウニ家のオーダーで描かれたものなんですね。
当時の商家では息子を修行の旅に出すのが一般的でした。左下がラファエロ。年若い息子の旅の安全を祈りオーダーされたものなのですが、その願いもの虚しくラファエロは十代で亡くなってしまったそうです。
3、富めるフィレンツェ
フラ・アンジェリコの作品も出てきます。
4、フィレンツェにおける愛と結婚
5、銀行家と芸術家
6、メディチ家の凋落とボッティチェリの変容
今回展示は説明が多く、わかりやすく、とても良かったです。
ルネサンスが栄えた理由が、メディチ家を中心に作品を順に観ていくことでわかるようになっています。
ボッティチェリを取り巻いていた人的環境が、また歴史の中の有名人ばかり。メディチ家の人々や、画家の仲間、フィリッポ・リッピはお師匠さんだったのですが、他にもフラ・アンジェリコやヴェロッキオといった画家・・・。オペラの舞台のような華やかさがあります。
カセットガイドは、城田優さん、華やかな舞台に相応しい音楽と声で鑑賞を盛り上げてくれました。
長い記事になってしまいましたので、この辺で。
会期期間残り少なくなりましたが、見ごたえある展示ですので、是非ご覧頂けたらと思います。
Bunkamura ザ・ミュージアム 『ボッティチェリとルネサンス』
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_botticelli/