モネ大回顧展の予備学習

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最近になって、ブログゆっくり更新宣言を出しましたあおいですが、記事を書いてしまいましたのでアップします。 (っていいたいところなんですけど、相当気合を入れて書いていたのに、フイに文字が消えたんです。書いていたうちの5分の4くらい。なので、ちょっとはっしょっていくかと思います。不親切だったらすみません。)

でも記事更新はゆっくりして行く予定なんですよ、本当に。
お蔵の方の記事も書きたいし、セレクトアイテムの方の商品の入れ替えもありますし、何よりもやりたい手芸、読みたい本も溜まっています。その読みたい本のうちの1冊のご紹介を今日はしたいと思います。

以前サイドバーでご紹介しておりました、こちらの本↓ 最近(2007年3月)発刊されたばかりの新しい本です。

興味は大アリなんですが、買う勇気まで持てなかった私、図書館にリクエストしましたら買ってくださった様で早速手元に届きました。

本のサイズまで確認していなかったのですが、想像していたより、大きくて薄い。20×30センチってとこでしょうか、厚みは7ミリくらいかと・・・、測ってはいませんから目測です。

どんな本か、気になって手に取りました。
そもそも、著者・吉岡正人さんとは誰なのかしら~。

ではでは・・・、本の解説はじまりはじまり~。

これはよくある、名画解説本の一般的な解説ではありません。というか、通り一遍的な解説ではないといった方が相応しいかしら。

というのは、吉岡正人さんは画家で、いろいろな解説などに頼ることなく自分の目でモネの縁の地を訪ね、絵を鑑賞し、自分も同じ場所で絵を描いてみたり・・そうしたことから感じたことを書かれているのです。
ではまず、吉岡正人さんのプロフィールを!

武蔵野美術大学油絵科卒。筑波大大学院修了。
画家、埼玉大学教授
文化庁芸術家在外研修員(イタリア)。
作品の収蔵:箱根彫刻の森美術館、東京オペラシティアートギャラリー、文化庁など多数。

もう少し、詳しく知りたい方、プロフィール詳細ありです。
http://www.art-copyright.jp/museum/artist/ym002.htm
http://www.planup.co.jp/backnumber/YoshiokaMasato/index.html

それから参考までに吉岡正人さんのギャラリーがあるサイトをご案内します。
吉岡正人ギャラリー
http://www.reiko.cn/3_gallery/yoshioka/yoshioka.html

見たことがある気がするのですが、ご本人の絵を見たのかどうか・・・。見た可能性も充分にあります。
雰囲気的にはデューラーの自画像に似た感じの絵を描いていらっしゃるような・・・色彩的にも近い、ルネッサンスっぽいっていうんでしょうか、吉岡さんの絵はもっと不思議な感じのする絵です。惹きこまれるような。
たぶん、名前こそ存じませんでしたが、絵は知っていると思う。箱根の彫刻の森など、あちらこちらに吉岡さんの絵が所蔵されているので、観た事があるのかもしれません。

ああ、モネでした。
えっと、通り一遍の解説本とちがうっていいましたね。
110ページ中、前半80ページはオールカラー
印刷は画集並みの美しさですよ。
前半20ページ以降からは吉岡さんがモネの縁の地を回りながら、感じたことや、モネの描いた場所を同じアングルでスケッチされたり(うらやまし~です。)、その絵がアップされています。
もちろん、モネの絵もアップされていますよ。その場所の写真とともに・・・。

回った場所のうちのひとつ、「エトルタの断壁」

The Cliff, Etretat, Sunset, 1883

 

Monet, Claude
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こちらは同じアングルで、モネもギュスタブ・クールベ
La Rencontre Ou Bonjour M.Courbet
La Rencontre Ou Bonjour M.Courbet Giclee Print
Courbet, Gustave
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(クールベさん、こんにちは。の一部です。このえらそ~なのがクールベの自画像です。)
 

The Cliffs at Etretat, 1869

 

Courbet, Gustave
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も絵を描いているんです。その比較が見開きで出来ちゃうんだから、なんだか嬉しいですよ。

それからティツィアーノ荊冠のキリストを例に、同じ画家が同じテーマで絵を描いても年齢や描いた時期によって、描き方が変わるのではないかと言うことをいわれています。荊冠のキリストはティツィアーノ50歳代の絵と80歳代の2作が同じアングルで描かれている(リンク先に2枚とも画像があります。)のですが、50歳台の絵はキリストが苦痛の表情を見せて耐えているのに、80歳代の絵の方は、キリストが自分を鞭打つ人でさえ哀れんでいるような表情を見せています。後の作品の方が、深いですよ・・・。同じモチーフで同じ配置でこう変わってくるんです。

モネも私の中では光の色彩画家というイメージですが、白内障からくる色覚異常の時期はすんごいです。
これは苛立ちなのか、それとも目の障害によるものなのか・・・
色彩もタッチも荒々しいような・・・。いえ、見えていないからなのか。
それでも描くのを止めない。

描くための人生の選択しつづけたモネ。基本はブルジョアの何不自由なく暮らした時期に培われた感覚を持ち続けたと思います。

でも、不思議なオシュデの家族との同居生活。これは世間の目から奇異に映っただけでなく、モネ自身は平気でも、妻・カミーユにとってはどうだったのだろうか・・・。(オシュデは一時期、モネのパトロンでした。が、破産。やむなく同居は始まったと思われます。)
日本の浮世絵から影響を受けたと言われるモネの絵、実際どんな影響を受けたと言うのだろうか。

何よりも私がまだ実際にいったことがない、オランジェリー美術館「睡蓮、朝」。これは晩年、白内障の手術をし色覚が甦った時期の大作なのですが、こちらをみて気持ちが救われるような気がしました。サイズ200×(200+425+424+200)なのです。やはり本物をぜひ見たいです。

後半にはモネの生き様ダイジェストの解説と、油絵についての基礎知識が書かれています。これが画家による解説だからなかなか面白いのです。持っているといい1冊です。

国立新美術館(→過去記事・国立新美術館・東京六本木)モネ大回顧展、まだ行っておりません。
こうなってくるとまた是非行きたくなりますね。

最後にセザンヌの言葉を借ります。
「モネは眼にすぎない、しかし、何と素晴らしい眼であることか!」