現在は状況が異なる可能性がありますのでご注意ください。
たまにはかた~い話題にいきます。
最近読んだ2冊の本。
どちらも宮田光雄さんの本ですが、一般的な無宗教日本人にも、キリスト教の信仰がどんなものか、神を信じるということがどんなことなのか、理解できるように書かれています。
+児童文学のメルヒェンの世界の読み解きの入門書?エンデやグリム童話の謎解きに興味はありませんか?
(本日朝、9時50分記事の内容を更新しました。)
私は一般的な無宗教な家庭の出身ですが、幼児時代を自由学園幼児生活団というキリスト教の縁の深いところに通い、また週に2日くらいを教会の幼児教室?で過ごしていたため、影響がなかったとはいえません。小学校時代は教会学校に通っていました。
その後成人してからは教会付属の幼稚園に勤めていました。園長は牧師だったし、信仰のある人たちに囲まれていました。
職場で聖書研究をすることも度々。
日曜日、強制ではなかったけど、礼拝に参加して牧師のお説教を聞くこともしばしば。
だけど、家庭が無宗教です。
小さい頃にこれだけキリスト教と縁の深い環境に居たのだから親の方にも何かしら意図があったと思いますが、今の両親からはその意図を感じることは皆無です。
職場の聖書研究でもいろんなことが分からなかったです。
それに聞くに聞けない雰囲気。
ですから、「神」という存在がなんだか分からなかった。
全てを受容し、導いてくれる存在。
そんな存在があるなら素晴らしいとは思うけれど、それは誰?それは何?
私の中では「人」的なものをイメージしてしまいます。
「神」を信じる、っていうあなたは、「神」の存在をどこで感じるの?
2冊のうちの「宮田光雄集 1」の方にはそれについての答えに触れられています。この本は聖書研究会などの話をまとめられた本のようです。
キリスト教どっぷりの世界にいる方の説明じゃ分からない部分をフォローしてくれている本なのです。
それだけだと私の頭は疲れちゃうんですが・・・、
こちらの本2冊とも、グリム童話やミヒェル・エンデの本の謎解きもしてくれているんです。宮田さんという方は2冊目の方でサブタイトルを「読書による道案内」とつけていらっしゃいますが、まさにコレ。
グリム童話のどの辺りが教訓的なのか、なぜエンデの本が大人にとってもファンタジーなのか、どこが評価を受けるのか丁寧に案内して下さっていて、これが面白い。
1冊目の宮田光雄集なんて本の見た感じから、かなり眉間に力を入れて読まなければならないと思っていたのですが、文体も柔らかく読みやすく、エピソードがたくさん入り混じってすらすら読めてしまいました。
その1冊目の方ではエンデの「モモ」をクローズアップ。
2冊目の方は「はてしない物語」を案内します。
その後、「はてしない物語」は映画で「ネバーエンディングストーリー」となりました。
面白いといっては何ですが、エンデが抗議したという作品。 実は私はみたことがないんです。 アマゾンのレビューではエンデの抗議の内容を要約してくださっている方がいるのでご紹介しますね。
原作者ミヒャエル・エンデの当時の抗議を要約すると。 『この映画はファンタージェンの世界を破壊するために悪の人浪グモルグが台本を書いて映画にした』 『映画から私の名前を削除するために裁判で告訴した』 『幸運の龍がバスチアンをいじめた少年たちに、復讐するシーンをカットして欲しい』 『子供たちがこの映画を、私の作品とは別のものだと解ってくれて苦痛が消えた』 『契約で不利なサインをさせられてしまい、希望した約束を破られ抗議を無視されただけでなく。ますます酷くなる一方だった』 『原作のテーマを損なわれた』 来日インタビューにて 『結果として第2章のほうが原作に近くなっている気がします』 痛快なヒロイックファンタジーをお好みなかたには楽しめる作品です。
2作目の映画の方はエンデもまぁ、納得とのこと。 ふたつと本を並べて、楽しみたいものです。
「神と信仰」の部分がかたっくるしく感じる方も、メルヒェンの世界の謎解きなら楽しめると思います。そしてそこに人生の教訓が散りばめられていることを教えられます。宮田さんは児童文学の研究にも熱心なのですね。
このメルヒェンの世界を通してキリスト教の世界も語っています。
読書でまず、児童書で面白いものを読むように勧められています。近く私のお気に入りのファンタジーも紹介したいと思います。
宮田光雄さんはプロフィールを拝見すると、立派な学者さんで立派な信仰者であるようですが、語り口をみると柔らかな人柄を感じることができます。
私は1冊目の方がお薦めです。
ちなみにプロフィールですが・・・。
宮田光雄
1928年 高知に生まれる。1951年 東京大学法学部政治学科卒業。その後東北大学法学部教授を務める。ヨーロッパ政治思想史専攻。そのかたわら学生たちのための聖書研究会、読書会を続ける。著書多数。
一応子育てブログなのですが、出来るだけ幅広いジャンルで記事を書いていきたいと思っている私です。