静岡レジャー、観光

天女の羽衣伝説・三保の松原(静岡市清水区三保)

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現在は状況が異なる可能性がありますのでご注意ください。

2泊3日の静岡方面への旅行へ。
宿泊先を決めたらそのルートの途中でどこに寄れるか、計画を立てて、何を食べるか企画するのも私の旅行の楽しみです。

駐車場から、羽衣の松へ向かう

 

(神の道と呼ばれる参道)

自宅を出発し、向かうは清水
薄曇りの天気で気になるところだけど、限られた時間の中で天気を伺いながら、どうにかもちそうな空。
そんな中、今回のひとつめの目的地は清水にある「三保の松原」
名前くらいはなんとなく覚えがある方もいらっしゃるでしょうか。
日本三大松原や、日本新三景(大正5年5月に認定)にも選ばれている程の絶景とのこと。その美しさは既に平安時代から認知されていたそうです。

ちなみにこちらを向いているのは私の母です。今回は私たちファミリー+母で旅行です。

大型バスも何台か駐まる、少し大きな無料駐車場と数軒のお土産物&お食事処のある場所からすぐ松林を観ることができます。

記事のトップの画像は駐車場に車を駐めてそこから歩いているところです。
これが御穂神社から500m続く参道です。

三保松原案内板

 

 

霊峰富士の眺望、絶景をもって天下に識られているここ三保の松原は、遠く万葉歌人に詠歌され、また、日本の伝統芸術でもある能「羽衣」によって多くの人々に親しまれている名勝地である。
大正5年5月には、日本新三景のひとつに選ばれ記念碑が建っている。四時緑たたえ、東遊の駿河舞を偲ばす。
また、欧州各地で「羽衣」を演じ、まだ見ぬ三保の松原にあこがれながら若くして逝ったフランスの舞姫ジュグラリスの碑などが観光客に美しい夢を抱かせる。

 

国指定名勝 大正11年3月8日指定 静岡市教育委員会

 

羽衣松の案内板

天女に会える、そんな気がする・・・・

(Feel the legend in breeze.)

素敵なキャッチコピーですが、アンはこの能の「天女」に引き気味でした・・・。
私はまだ、アンに「天女の羽衣」のお話しを読んだことがなかったのですが、幸いにも幼稚園で読んで貰ったことがあるとのこと。お話しを簡単に説明するとアンはすぐにピン、と来たようでした。

お話しの舞台ということで、早い段階でこちらに来ることが分かっていれば、「てんにょのはごろも」の絵本を探して読み聞かせすることを考えたのでしょうが、今回旅行をプランしたのが、旅行の前々日の深夜・・・。ちょっと間に合わなかったのです。

 
いかにも幻想的なシーンが想像でき、幽玄な能の舞台に再現されたら素敵だろうな、と思います。

<羽衣伝説>
その昔、三保の松原のとある松の枝に美しい衣が掛かっていました。
漁夫の伯梁がそれをとって帰ろうとすると、どこともなく天女が現れ、それは私のものだから返してほしいとい言います。
それならばなおさら返すわけにはいかないという伯梁に、天女は天に帰れないと嘆き悲しみました。
伯梁は天人の舞を見せることを条件に羽衣を返すと、天女は喜んで舞を舞って見せましたが、やがて霧の彼方に消えてしまいました。

~The legend of Hagoromo~
Once upon a time,a beautiful  robe was  discovered  hanging  on  a  pine  branch  in  the Miho pine grove.
A fisherman named Hakuryo took it and was about to leave when a heavenly maiden appeared out of nowhere and asked him to give her back the robe "Hagoromo" as it belonged to her.
However the fisherman insisted it was his robe now because he had found it.
Hearing that,she cried out in despair that she could not return to heaven without her robe.
Hakuryo agreed to return the robe to her on the condition that he might see her dance the Celestial Dance wearing the robe"Hagoromo."
The celestial maiden gladly accepted and danced for him,but upon finishing her dance suddenly vanished into a mist.

謡曲「羽衣」より
天女「うれしさやさては天上に帰らん事を得たり。・・・月宮を廻らす舞曲あり。ただいまここにて奏しつつ、世の憂き人に伝ふべしさりながら、衣なくてはかなふまじ。さりとてはまず返し給へ。」
伯梁「いやこの衣を返しなば、舞曲をなさでそのままに、天にや上り給ふべき。」
天女「いや疑ひは人間にあり、天に偽りなきものを。」
伯梁「あら恥かしやさればとて、羽衣を返し与ふなれば。・・・・。」

この階段はなだらかでさほど続きませんが、登り切って今度は下るところから三保の海岸。
砂地になり海から思いっきり風が吹き付けてきて、砂のつぶてが当たり、体中、特に顔が痛い!!それほど局所的な強風でした。
もしかしたらここはいつもそうなの?と思ったのは私だけ?
カメラを守りつつ、何がなんだか分からず連れてこられて、不満そうなアン。

でも、目の前には羽衣の松が見えるのでなんとか傍に行きたいと思うのです。

 

羽衣の松

 

(羽衣の松)

樹齢約650年になる、「羽衣の松」
これは天女が舞い降りてきて羽衣を掛けたという伝説が残っています。

Hagoromo-no-Matsu(The Pine Tree of the Robe Hagoromo)
This pine tree is said to be about 650years old and is,according to legend,the place where the celestial maiden hung her robe.

確かに羽衣が掛けられそうです。
老木のため、樹勢が衰えてきているとのことで、養生中だそうです。

 

羽衣の松 二世

既に2世が用意されています。

この松は平成9年2月に「羽衣の松」から穂木を採取し、接ぎ木による二世作りに成功したものです。伝説の松の遺伝子を含め未来に残す二世の松です。
清水市 羽衣の松保全対策委員会

 

 

三保の松林

この三保の松林は約7㎞ほど。松林が海岸沿いに連なっています。

この三保を含め、海岸沿いに見られる松は北杜市の舞鶴の松(過去記事>>こちら)のアカマツとは違い、潮風に強いクロマツです。その為、防風林として植栽されてきたようです。

時間と天気が許すならこの松林を散歩してみたかった・・!

三保の松原

日本昔話の世界!!

昔話の情景を思い出す景色が広がっていました。

三保の松原と海

 

家やビルなどの近代的なものが松林の向こうに隠れてしまっているようで、かなり昔からの姿に近い海なんです。実はよくみるとテトラポットも見えたりするのですが、限りなく昔話の世界

三保の松原の海

私がもし昔話の絵本作家だとか、絵本の挿絵を描く人だったなら、きっとこの場所を参考に絵を描いたはず。
これほどまでに昔話の舞台に相応しい海をみたことがありません。

この場所を観て思いだした絵本が、福音館の「うらしまたろう」でした。
調べたところ、絵を描かれた秋野不矩(あきのふく)氏は静岡県の出身なんです。ちょっと三保からは離れた浜松辺りのご出身ですから、もしかしたら三保の海岸をイメージされていたのかもしれません。
これはあくまでも私の勝手な想像ですけどね・・。

 

 

三保の砂浜

 

白砂青松という言葉がありますが、ちょっと白砂とはいえません。
薄いグレー のサラサラのとても細かい砂浜です。

羽衣の松 海側

 

先ほどとは真反対の方向からの羽衣の松。
海側から撮影しました。
私の足跡が写っています。

 

三保の砂浜

晴れていれば、向こうに富士が見えたはず・・・・。

ジュグラリスの碑

 

この場所に魅せられて遂に訪れる事が出来なかったフランスのバレリーナ、エレーヌ・ジュグラリスの毛髪が埋められている場所です。「私の髪をぜひ、羽衣の松の傍に埋めて欲しい。」との遺言でした。

薄曇りの天気の中、これだけの美しさを見せてくれた三保の松原。
また是非来たいところだと思いました。

周辺には東海大学自然史博物館東海大学海洋科学博物館などのレジャースポットがあります。
どちらもすごく面白そうなのですが、今回私たちは時間的に訪問が出来ませんでした。

この記事を書くのに半日以上掛かりました・・・。でもそれだけの価値がある場所です。ぜひ、知って機会があれば訪れて欲しいと思いご紹介しました。
天気の件も忘れて幸先の良い旅のスタートです。

三保(静岡市のサイト)
http://www.city.shizuoka.jp/deps/kanko/tabi_miho_guide1.html

静岡県静岡市三保
電話番号 054-354-2422(静岡市観光課)
駐車場あり 無料

電車でのアクセス:JR東海道本線・清水駅から静鉄バス東海大学三保水族館行き、25分。三保松原入口下車、徒歩10分。

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