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DVD『夢から醒めた夢』 その2

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この夏の大阪公演が決定した、劇団四季オリジナルミュージカル『夢から醒めた夢』、紹介動画。
 

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劇団四季のオリジナルミュージカル『夢から醒めた夢』(原作・赤川次郎)ネタ、その1に引き続きまして、今日はその2のお話。 その1では魅惑のロビーパフォーマンスについてのお話をしました。

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今回はDVDの本編のお話。
ネタバレが少々あります。↓おおまかなあらすじはこんな感じ。
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主人公の女の子は、好奇心旺盛で真っ直ぐで真っ白な心を持つ、ピコという女の子。
夢の配達人の導きで、夢の世界へ。そして夜の遊園地で幽霊の女の子、マコと出逢います。

マコはとても可哀想な女の子。
母ひとり、子ひとりの2人きりの家族で、ある日お母さんと出かけた先で、交通事故に遭い、死んでしまいます。あまりに嘆き悲しんでいる母親の様子を知って、1日でいいからきちんとお母さんと会って、お別れをしたいと望んでいます。

そんなマコの思いを知ったピコは1日だけ命を貸すことを約束します。
マコは生き返ってお母さんに会いに。
ピコは死後の世界に行きます。

・・・って書くと、すごーく寂しくて哀しいお話に思いませんか・・?
でも、夜の遊園地のシーンは幻想的で、尚かつ美しいダンスシーンが続き、まるでサーカスを観ているかのような賑やかさ。三木たかしさんと宮川彬良さんの作曲された、美しいナンバーでファンタジーの世界を存分に堪能できる作品です。

同時にいくつものワザが披露されていて、目の行き場に困ってしまうくらいの圧巻シーンが続きます。

そして、ピコはマコから白いパスポートを預かって死後の霊界空港へ行きます。

パスポートは生前の行いによって、色が違います。生前の行いが良い人たちは白いパスポートで光の国へ行く飛行機に乗ることができるのです。

グレーのパスポートの人は霊界空港での働きと行いを認められると年に1度、恩赦になる可能性を持っています。

黒のパスポートは地獄行きです。

次々と霊界にやってきた人はパスポートを確認されて、
それぞれ、自分のこれまでの人生を語るのです。

世界中の人がやってきます。
戦争や貧困で生きたくても生きられなかった人たち・・・。

いじめを苦にして自殺してしまった人。
家族も顧みずに仕事に明け暮れて、過労死してしまったサラリーマン。
暴走族、やくざ・・・。

それぞれの人生が、いろんなタイプの音楽に合わせて語られます。
演歌やロックまで出てくるのにちょっとびっくりしましたが、いろんな人生を音楽やダンスで語ってくれます。
さュージカルで感じるのは、
命の大切さ、人の優しさ。
どんな人にも良い心や人を思いやる優しさが必ず、あるよね・・・、って思わせてくれるような作品です。

何よりも、マコのお母さんの思いは切なくて、
涙が溢れてしまいます。
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あんまり詳しく書いてしまうと超ネタバレ・・で観たときの感動が薄れてしまうと思いますので、ストーリーについては端折らせて頂きますね。

四季はご存じのとおり、徹底的な『作品主義』
スターは作らない方針です。よく比較される宝塚とはそこが全く違うところです。
宝塚から四季に移ってくる役者さんが続かない方多いのは、その辺りもあるらしいですよ・・・。

当日のキャストは会場に行ってみないとわからないですし。(だいたい週替わりでキャストが代わることがあるので、おおまかなキャストの予想はつきます。)俳優さんの出待ち、入待ち禁止なんですよね。
それどころか、俳優さん達、ファンの方と個人的に街中などで出逢ったときに撮影に応じるとか、サインとか、握手さえだめ・・なんだそうです。

従ってパッケージにもキャストの名前はリストされていないんです。
DVDでは顔がアップで映るので、クレジットはなくても出演者は分かりますね。

ピコ役は岡村美南さん。
『55ステップス』にも出演。
長身なのにそんなことを忘れてしまうような明るくて純真でまっすぐで優しくて・・ちょっとおっちょこちょい、というピコ役を見事に体現してくれています。 ダンサー出身ということですが、クリアな歌声で歌もとてもお上手です。歌をよく聞いているマコと歌っているハーモニーではかなり大人っぽい歌い方なんです けど違和感ないです。

マコ役は苫田亜沙子さん。
『オペラ座の怪人』のクリスティーヌ役も2006年からされている方で、小柄で可愛らしい感じの方です。役柄通りのイメージの方。やはり歌はとてもお上手です。

2人が最初に出逢うシーンは、照明もマコのところにはブルーがかったライトが当てられ、話すテンポもちょっと違うのですが、これはピコとマコが違う世界を生きていることを現しているのだそうです。

マコのお母さん役は早水小夜子さん。
『CATS』でグリザベラ役などされている方です。
私も横浜の『CATS』公演で早水さんの「メモリー♪」を聞かせて頂いていますが、本当に素晴らしい声量と表現力で、子どもを思う母の気持ちを歌っています。

DVDの映像ですが、観客目線のカメラワークです。
会場のお客のひとりとして座ってみている感じ。最初は引いたカメラワークで、観客席の前の方の方も見えます。(2011年5月四季劇場「秋」の公演での録画映像。)

ところが次第に、目線は舞台だけになっていき、自分がその舞台の上でその次第を見守るようなカメラワークになっていきます。引きだけでなく、かなりアップのワークが多いので、役者さんの顔がメイクの詳細まで分かる感じです。

・・劇団四季の舞台は、DVDになっているものは僅かなんですよね。
そういう意味でも、非常に希少性もあり、また、この夢から醒めた夢は、いろんな要素を盛り込んだ作品でうっとりしたり、悲しんだり、喜んだり、とても優しい気持ちになれたり・・、いろんな感覚を味わうことができる作品だと思います。

劇団四季は、顧客満足度がなんとディズニーランドでお馴染みのオリエンタルランドを超えて、1位!!になったそうです。 

昔は劇団四季に子どもを連れて行く・・という感覚はありませんでしたが、ファミリー席や親子観覧席もできて、子ども料金も安く設定。未就学児でも舞台を楽しめるようになっているんですよね。

やんちゃなレオも『美女と野獣』『CATS』『アンデルセン』も観に行っているのですが、子ども料金がなかったら、親子3人ではとても観に行けなかったと思います。

ここでひとつ情報。
4/1(日) 11:00~ BS-TBSテレビ 夢活ガールズで、劇団四季の「CATS」などが紹介されるそうです。

5月の『赤毛のアン』の公演をより楽しんでみたいと思っていますので、四季のこと、子どもと事前学習してお出かけしたいと思っています。

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