現在は状況が異なる可能性がありますのでご注意ください。
母がクリスチャン・ディオールが好きなので、ぜひ観たいと、Bunkamuraのル・シネマまで出掛けてきてからだいぶ時間が経っているのですが、まだBunkamuraで上映中ですので、一言ご紹介したく思います。
『ディオールと私』の私とは、現在のクリスチャン・ディオールのアーティステックディレクターのラフ・シモンズのこと。
もともとは、工業デザインの出身でプレタポルテのジル・サンダーのクリエィティブディレクターだった彼が、オートクチュールの世界に足を踏み入れるところから始まる記録映画です。同時にクリスチャン・ディオールのアトリエの歴史を追うことができる内容になっています。
今はこの世に居ない筈のクリスチャン・ディオールの影をアトリエで感じながら、彼の初のオートクチュール・コレクションを作り上げていくドキュメンタリは、デザインにもファッションにも詳しくなくても、その重みに耐えがたく感じますね。
大きなクリスチャン・ディオールの影?霊を感じながら、プレッシャーにみている方もしんどくなりますが、さすがのラフ・シモンズ。
もっている感覚の素晴らしさを至る所で感じます。ディオールのアトリエに迎えられるべき人がやってきたんだと。
コレクションはオートクチュールだけでなく、会場、モデル、そのヘアメイク、いろいろな視覚的要素が全て要求される過酷な現場です。
ベルギー人の彼が、アトリエの人たちと人間関係を少しずつ作りながら、初コレクションに挑みます。
フォローするスタッフの中にはアトリエでずっと亡きクリスチャン・ディオールの意志も継いでいる人たちもいますし、新しい戦力もいます。
こうして古きよさと新しきよさを融合させていきます。実際ラフは昔の資料の中からたくさんのヒントを得てコレクションを作り上げていっています。
出来過ぎ。話が出来過ぎとは思いますが、必要な時に天から降ってくるかのようにアイデア降臨。
クリスチャン・ディオールのデザインは女性を優雅にみせるデザインで本当に素敵ですね。
大口の顧客に振り回されたりもありますが、クリスチャン・ディオールのオートクチュールをオーダーできる方たちってどんな人なのかしら。
クリスチャン・ディオールのデザインが好きな女性だけでなく、デザイン関係の方にもきっと興味深い内容で、それっぽい男性一人のお客様もいらしていました。
映画は字幕。基本はフランス語。ラフさんは英語の方が得意なベルギー人らしく、アントワープ出身だったかな?ところどころ英語もあります。
こぢんまりして落ち着いたル・シネマ、一般公開されていないちょっと素敵な映画が多くて、自分へのご褒美になります。
母はラフ・シモンズのインタビュー記事と、2015年の春夏のワールドコレクションの様子が分かる別冊のついたSPURを買っていました。この別冊がかなり見ごたえがありましたよ!写真がたくさんで。しかもブランドもアルファベット順に並んで整理された本になっています。
私たち、オートクチュールとも無縁ですけれど、映画も雑誌の方も観るだけでも感覚の栄養になっています。
ぜひ機会があったらオートクチュールの世界を垣間見て下さい。
Bunkamura ル・シネマ
http://www.bunkamura.co.jp/cinema/