現在は状況が異なる可能性がありますのでご注意ください。
「登呂遺跡」。小学校の社会科の教科書で習った覚えががあるのではないでしょうか。(中学の歴史でも出てきたハズです。)
1943年(昭和18年)に発見された登呂遺跡は約1,800年前の弥生時代に日本で稲作が始まっていたという事を確認するに至った世界的にも有名な遺跡です。
歴史が好きだったので、興味のある場所でしたが、今回初めて立ち寄る事になりました。
(日本の車窓から。)
目指すは登呂!!
ちょっと気になるこちらの旅館・・・。
残念ながら本日、私たちが泊まる予定のところではありません。
駐車場現在、登呂遺跡が再整備中のため、無料で開放されています。
見学できるのは一部のみ・・・。
今回は歴史の香りだけを感じる事になりそうです。
小・中学生で歴史、日本史を勉強中のお子さん、テストに出る箇所があります!な~んて。
駐車場から出たところですぐ見えたのが、こちらの水田。
この水田の地下1mのところに水田跡が保存されています。
つまり目の前に見えるのは再現されたものなのです。
写真では見にくいのですが、現在この場所で稲を育てています。白米ではなく、赤米ですけどね。
今から約1,800年前の弥生時代の農耕集落である登呂遺跡では、住居や倉庫の跡などと共に稲を栽培した水田の跡が見つかりました。
水田は、住居や倉庫が集まっている生活の区域の南東側に80,000㎡をこえる広い範囲で確認されています。
水田には、木の杭や板でまもられた畦畔(けいはん・・あぜみちのこと)や水路が整然とつくられています。
弥生時代の水田跡は、復元した水田の地下約1mに保存されています。
静岡市教育委員会
登呂遺跡公園は再整備中です。
完成は2011年の予定です。
併設されている登呂博物館は2010年の秋に再開予定です。
登呂公園とも呼ばれています。
今回、遺跡を見たのではなく、再現されたものをみたわけですが、再整備後、どのような形で遺跡をみる事ができるのか期待します。
たぶん、部分部分では遺跡をみせ、あとは再現したものなどを見せる形になるのではないかと予想しますが。
実際のところはどうなのでしょうか。
この撮影範囲は工事中で囲いがあり、私たちは外から眺めています。
これは最近作られた竪穴式住居を再現したものです。
茅葺き屋根の家に近いスタイルですね。
こちらは高床式倉庫。
梅雨の時期がある日本の風土にあったスタイルの倉庫です。
これは弥生人の生活ぶりを表した像なのでしょうが、あちらこちら破損しています。
ところどころに説明があります。
今度は立ち入る事ができる場所へ・・・。
これも高床式倉庫です。かなり高さがありますよね。床まで2mくらいになりそうです。
雨の日などはこの下で作業などをしたのではないかと思います。(注・勝手な想像です。)
テストにもでませんでしたか?
これがねずみ返しです。
ねずみはコレによって倉庫に保存してあるものに手出しができません。
生活の知恵です。
竪穴式住居の説明。

入口は大人が少し背をかがめて入る感じです。

竪穴式住居の内の床は地面より何十㎝か掘り下げられています。そして中央のくぼみに炉があったようです。
夏は涼しく、冬は暖かいこの住居では5~6人が家族で生活したようです。
テントに近いこのスタイルはよく考えられて出来たものなんですね。

そしてその横でふたりの男性がゴザを敷いて座っていました。正直、何かの物売りかな・・・、と思ったのですが(失礼!)、声を掛けられてみると、体験コーナーをしているというのです。

実はこの方たち、登呂博物館の学芸員の方たちの様です。
こうやって、登呂博物館の休館日以外の日には体験コーナーをされているそうなのです。
平成22年の秋の再開館まで毎日交代交代でしょうが、これはなかなか大変なことですよね。
ちなみに私たちがトライしたのは,火おこしです。
弓矢ににた形のこの道具は、発掘されたものをヒントに再現したものです。
だいたい5分ほどで煙が出てきます。
さほど、力は要らないのですが、それでも便利な生活をしている現代人からしたら面倒に思えます。
ちなみに煙がでている穴の空いている木は、「杉」で、当時も杉で火おこしをしたのではと考えられています。
今度は道具を使わず、竹と杉板で、もっとも原始的なスタイルでの火おこしに挑戦。
はっきりいって、これでは火なんて出るわけがない!と思っていますので、やる気なしモード。

そこで学芸員の方がチャレンジです。
かなり力がいる感じです。
煙がでました!(さすが!)
この煙が出た木くずをビワの葉のようなツルッ、とした大きな葉ですくい・・・・、
それを綿の様なものでくるみます。
実はこれは綿ではなく、麻なんです。
くるんだものに息を吹きかけます。
やはり、酸素を送らなきゃです。
するとぼわーっ、と火が起きました!パチパチ・・・!!
火おこし(完)。
無人島で遭難するようなことがあったら、ここで学んだ事がヒントになるかと思います。
こちらは臼の中のお米。
先ほどの水田で栽培されている赤米です。
当時、栽培されていたお米は白米だけでなく、赤米、黒米、緑米などがあったそうです。
ちなみに最近は赤米や黒米は「古代米」として販売されるようになりましたね。
緑米は私はまだみた事がないのですが。
私は古代米として、販売されている黒米、赤米の混合を白米と混ぜて炊く事があります。
少し紫っぽい色が付いたご飯が炊けます。
国産赤米黒米セット「赤の舞」「黒の舞」各250gあの大ヒット商品十六の舞に入っている古代米、...
★緑米 200g 無添加/無農薬(化学合成農薬)不使用栽培
わ、本当に緑っぽいんですね。味の方はどんなかしら?

外国の方も見えていて、火おこしの体験をされていましたよ。

それから弥生人の服装体験です。
当時は麻で作られていましたが、今回私たちが着させていただいたのは木綿で作られています。
市販の布ではなく、ボランティアの方たちが織機で織られた生地だという事です。
麻製のものを着た事があるという学芸員の方の説明に寄ると、麻はもう少しごわごわした感じ。
でも痛いほどではなく、ジーンズの生地のごわごわ感に似ているということでした。
これも授業で習った覚えがあるのですが、服装は1枚の長い布の真ん中に穴を開け、そこから頭を出し、腰の辺りを縛ったスタイルで、当時は両サイドが縫われる事もなく、開いていたそうです。
私たち着ているものはサイドが縫われています。
アンが杵を持っていますが、この中には先ほどの赤米があります。
当時の杵はこうやって縦に突くスタイルです。この方が時間がかかると思いますが、腰は悪くならないでしょうね。
登呂遺跡公園の見取り図。
再オープンの頃はまた多少違っているかもしれませんね。
敷地内の一部に、有名な型絵染め染色工芸家の人間国宝・芹沢銈介の美術館があります。
今回は展示入れ替え中で閉館していましたが、確か6月9日からまた開館します。
美術館の建物がモダンで素敵なんです。白井晟一(しらいせいいち)氏の設計です。
子どもと一緒だと美術館はなかなか寄れませんが、機会があれば寄ってみたいところです。
芹沢銈介美術館
静岡県静岡市駿河区登呂5-10-5
電話番号 054-282-5522
閉館日 月曜(但し、月曜が祝日の場合はその翌日)
開館時間 9:00~16:30
料金 大人¥410、大学生・高校生¥250、小・中学生以下無料
駐車場 登呂遺跡公園と共用
3年後、リニューアルオープンの頃にはアンは小学生。
きっと今よりも理解ができることでしょう。
アンには昔の人の生活の様子を再現した場所だという事は伝わったものの、どれくらい前は理解できません。
年齢的には大きな時間の流れを捕らえるのはムリ。
ですから、「アンちゃんのおばあちゃまの、おばあちゃまのそのまたおばあちゃまの・・・、」という感じで、ずっと昔なんだよということを伝えました。
火おこしの方法も頭の片隅に残る事でしょう。
今理解できなくても、あのときのコレはこういうことだったんだ!!とピンと来る時がくるでしょう。
そしてレオですけど登呂遺跡見学中は最初から最後まで爆睡していました。
登呂遺跡
http://www.city.shizuoka.jp/deps/kyoikusoumu/torohaku_index.htm
静岡県静岡市駿河区登呂5-10-5
電話番号 045-254-2111
駐車場 68台(現在は無料。リニューアル後は有料になると思われます。)
アクセス JR静岡駅から静鉄バス、登呂遺跡行きで20分、終点下車。
マイペース更新ですみません。
記事、楽しみながら書くように心掛けています。